入浴用椅子の中には、脚の高さを調節できる商品があります。入浴用椅子の足の高さを調節するバネに錆が発生し、変形や破損が生じて事故が発生する事例が発生しています。

これまで5年間で国民生活センターに寄せられた入浴用椅子の品質に関する相談が65件あるとのことです。うち高さ調節機能の不具合と考えられる事例は6件あり、そのうち1件は転倒で大きな怪我を負っています。
また2014年には1件の重大製品事故が公表されています。これらの入浴用椅子には主に高齢者が裸で使用するため、使用中に脚に不具合が発生した場合には、転倒して怪我の危険性が考えられます。もしご自宅に入浴用椅子ガあれば、確認してみましょう。

入浴用椅子の脚の高さ調節機能の不具合と考えられる事例について

1、浴室で使用する介護用椅子を使用していたところ片方の脚が突然低くなり、バランスを崩して転倒し、頭部に打撲傷などを負ってしまった。(60歳代男性)

2.入浴用椅子を使用中に椅子の鉄底のバネが壊れ、椅子が傾き転びそうになった。(50歳代男性)
3.一年前に介護用の入浴用椅子を購入したが、固定ネジ(留め金)が外れてしまった。(50歳代女性)

入浴用椅子のバネの材質や耐食性を調べてみたところ、市販されている押しボタンによる高さ調節機能が付いた入浴用椅子10銘柄をテスト対象としたところ、バネの材質について、2つの銘柄が鉄製、8つの銘柄がステンレス製でした。取扱説明書にバネの材質を表示していたのは1銘柄のみという結果でした。

腐食促進試験をしたところ、鉄製の羽根には錆が発生することが確認されました。

耐久性試験をしたところ鉄製のバネは、お湯でも錆が発生することが確認されました。

国民生活センターが一般家庭や介護施設で一年以上使用していた入浴用椅子34脚の提供を受け、商品の状態の調査とアンケート調査を実施した結果があります。
調査した入浴用椅子の20%以上に、高さ調節機能のバネに錆が発生しており、また使用期間が3年未満でもサビが発生しているケースが確認されました。

入浴用椅子を購入する時は、バネがステンレス製のものを選びましょう
プッシュボタン式の高さ調節機能のある入浴用椅子を購入する時は、表示をよく確認してバネがステンレス製のものを選びましょう。鉄製に比べてサビの心配が少なくなります。材質表示がない場合は購入前に販売元などに問い合わせをすると良いでしょう。

もし既にご自宅で入浴用椅子を使用しているのであれば、高さ調節機能が破損していないか確認してみましょう。プッシュボタンが調節穴から大きく出た状態でロックされているか使用前によく確認しましょう。また、ネジの緩みなど各部に異常がないか点検しましょう。

バネに錆が発生している場合は使用を中止しましょう
脚を取り外して内部を懐中電灯で照らすと、バネに錆が発生しているか目視で確認できる場合があります。サビが確認された場合は使用を中止しましょう。

子供の頃、椅子に座ろうとしたら、友達の悪ふざけで椅子を引かれて尻もちをついてしまった、という経験は誰にもあるでしょう。
でも、もし、これが高齢者だったらどうなるでしょうか。
高齢者でなくても、大きな怪我の危険性があります。

入浴用椅子が危険であるとは誰も思わないでしょう。ある日突然、座ろうとした入浴用椅子が壊れてしまったら・・

重大な事故になる前によく確認しておきましょう。